If we are expected, we tend to produce a result.
                 教育心理学者:R・ローゼンタールの言葉



 私(園長)は、子どもが“それ”をやる前から「○○ちゃんやってる(やった)ね、すごいね」などと、現在進行形や、時には過去形で、あたかも既に成果があるかのように声を掛けることがあります。不思議な働きかけですが、多くの子は、期待通りにそれをやり始めます。
 2歳を過ぎたAくんは、いつもニコニコしている穏やかな男の子。汚れるのが嫌で泥遊びもしたがらない子でした。ある日、Aくんのママが「うちの子は走るの遅いんですよね。泥も触れなくて、もう少し活発になってくれた らねえ・・・」と、ため息交じりで私に話したことがありました。
 「そうですか」と、ただ聞いていた私は、しばらくそのことが気に掛かっていました。以前はもっと部屋中を走り回っていたAくん。そういえば、この頃は走る姿を見ていないからです。そして私は、ある試みを始めました。
 彼が少しでも急ぐ姿を見かけると「Aくん早いね」と声を掛けたのです。その声に一瞬立ち止まり、嬉しそうにまた走り始めます。そして彼が走る度に「すごいねえ、早いねえ」と声を掛け続けました。まだまだ早くないことは言うまでもありませんが、走る機会は確実に増え、彼の表情は自信と誇りに満ちてゆきました。
 後日、そのことについてAくんのママは「かけっこが遅くても、泥が触れなくても、笑顔でいてくれるだけでいいと思いました」と、私に言いました。
 子どもは、親の言う通りに育ちます。〝言う通り”とは、評価通りと言う意味です。「この子は○○ができる」と信じてそう対応すれば、子どもは○○を達成し「できるはずない」と決めつけていれば、その通りになる傾向があるのです。これを【ピグマリオン効果】と言います。
 子どもは、親がどう自分を評価しているのか感じ取っています。そして誠実にそう振る舞おうとします。達成するかどうかは別にして、彼らは可能性に真っ直ぐなのです。その健気さを、私は美しいと思います。
                                     園長
育児に役立つ世界の名言
子は親の鏡
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる。
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる。
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる。
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる。
子どもを馬鹿にすると、引っ込み思案な子になる。
親が他人をうらやんでばかりいると、子どもも、人をうらやむようになる。
叱りつけてばかりいると、子どもは、「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう。
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる。
広い心で接すれば、キレる子にはならない。
褒めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ。
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ。
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる。
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる。
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ。
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る。
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ。
優しく思いやりを持って育てれば、子どもは、優しい子に育つ。
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ。
和気藹々あとした家庭で育てば、子どもは、
          「この世はいいところだ」と思うようになる。

Selected from sayings of the world.

コラム:蓮見師朗(園長)

Children learn what they live.

 作  :ドロシー・ロー・ノルト
 訳  :石井千春


人は、期待された通りの成果を出す傾向がある。
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平成28年11月27日更新