ままる保育園園長 蓮見師朗(はすみしろう)
■1963年生まれ・埼玉県出身 独身

 思春期 人格形成の時期
■1978年、中学を卒業した春、かねてからの親の勧めで都内の縫製会社に就職。幹部候補として大切に指導・教育されたが、あまりの労働条件の厳しさと春の嵐にそそのかされて「敷かれたレールを進むのは嫌だ」と、自分の進む道を真剣に考え始め、親の反対を押し切り21歳の時に退職。
 15歳から世の中で働いているが、実は労働歴はもっと長い。人生初めての労働は小学2年生の時、母がやっていたヤクルト製品の配達業務(当時の通称ヤクルトおばさん)の手伝いで、家の近くの数件に、ヤクルト製品を配達した。子どもに手伝いをさせるのは、蓮見家の家風であり。この体験は、責任と誇りという【お仕事】に対する考え方を決定づけた重要な体験であった。
 2年ほど続いたヤクルト配達は、貧血で配達中に倒れたことをきっかけに終了したが、小学6年の時、中学生になった友だちが始めた新聞配達にあこがれて、自分も新聞配達を始める。販売店には随分迷惑を掛ける結果となったが、自転車で80〜100件配達し、1年ほど続いた。毎日が、眠気と責任感との葛藤だった。
■1984年、進む道を真剣に考える中、何処から仕入れたのか「成功する人の多くは営業経験者だ」という固定観念を抱き、営業職に進むことを決める。同年、ジーパンとロンドンブーツ姿で面接に行った新宿にある広告代理店に、21歳未経験で就職。
 素直な性格が幸いしたのか直属の課長(後に部長)には随分可愛がられて、人間的にも育ててもらい、公私ともに世話になる。「オレは人に恵まれてる」と感じ始めたのはこの頃から。

 青年期 人生に大きな影響を与えた出会いの時期
■1993年、29歳の時、上司である部長の独立に際し声を掛けられ、「お供します」と起業に参画。その後、池袋のその広告代理店で管理職として活躍。部下を与えられ「部下を育てるのは面白いぞ」の社長の言葉にその気になって、人材教育の勉強を始める。
 社長の勧めもあり、自分を高めようと放送大学に入学し勉学に励んだ。特に哲学を好んで学び、中でも【実存主義】は、私の生き方に大きな影響を与えた。哲学や心理学に興味を持ちながら、人を育てるための勉強を続けた。
 この頃から「人は指示命令では動かない」という命題を抱くようになり、TA理論(交流分析理論)に目を向け始める。
■1996年ころ、友人の紹介でシナジースペース(株)主催のセミナーに参加。そこでは、今まで勉強しても理解出来ずにいたTA理論を、体験的に学べるセミナーを開催していた。その後、継続してセミナーに参加しながら「人を動かすキーワードは【承認】と【エンパワメント】である」ことに気づく。また、自分自身についての学びも多くあり、その中でも、幼少期から小さい子が好きでよく遊んでいたが、ある時期父に言われた「年下と遊ぶな」=(子どもであるな※【禁止令】)の圧力に、自分の思いを抑圧していたことに気づき、その抑圧からの開放(禁止令の解除)に成功。座右の銘「何があっても大丈夫」は、この頃自分のものとなった。
 その出来事をきっかけに、「子どもと接すること一生の仕事にしたい」「承認とエンパワメントで満たされた場所を創りたい」という思いに押され、40歳までに保育園立ち上げることをコミット。

 青年後期 試練と自己実現の時期
■2003年、39歳で、NPOままる子育てコミュニケーションを立ち上げ、ままる保育園(認可外保育施設)を開園。
 開園したのはいいものの、蓋を開けてみたらガチョーン!。認可外保育園の宿命とも言える経営の不安定さを、肌で実感した。同年7月には、住んでいたアパートを引き払い園で寝泊まりするようになり、土日と、夜の倉庫でのバイトも始めた。
 何時しか風邪気味になりそれがなかなか治らなくなり、医者へ行くと「どんな生活してるの?」と、言われる始末。夜眠れない日々が続き、食欲もなくなり、自殺する人の気持ちが少し理解できるようになった。この時の友人からの励ましや、座右の銘「何があっても大丈夫」が立ち直るキッカケとなった。「オレは恵まれてる」と感じた。
 その後、新聞配達を30数年振りに始め9年間続いた。当然違う店だが、同じ読売新聞だ。少年時代のそれは、お店に迷惑を掛けた思いがあり、結果的にそのリベンジ・過去の清算をする大事な仕事となった。始めの土日のバイトから新聞店を退職するまでの約11年間は、実は保育園から給料をもらっていない。完全なボランティア状態。2011年の東日本震災の時は、ちょうど夕刊を配り終えお店へ帰るバイク運転中だった。お店へは行かず、そのまま園に直行したことは言うまでもない。
 子どもの心の成長をテーマに、一人ひとりの自由な表現を承認・尊重する保育スタイルで、彼らのの自己肯定感を育むための【叱らない保育】を、創業当初から継続実践中。
 とりわけ、300名を超える1〜2歳児との関わりの中から得た第一反抗期の研究は、その特異性の理解と具体的接し方の体系化=ままるメソッドの確立に大いに役立つ。このノウハウを使って2014年から数回、第一反抗期の対応を解説にした『子育て講座』を開催。
 また、子どもに安心を与え思いを受け取る独自の会話術で、乳児であっても意思疎通が可能。園児からの信頼は絶大。卒園後も会えば挨拶を欠かさず、子どもの育ちを生涯にわたり見守り続ける覚悟を持つ。
 『子どもの【自己肯定感】を育てる子育てを当たり前にする』ことを目指し、望ましい子育て環境を日々研究中。しかしながら、世間では叱って怒って、更には脅してまでして子どもたちに同じことをさせ、決まった答えを求める保育・教育がまだまだ行われていることも事実。そうした現状に警鐘を鳴らし改善する取り組みを模索中。
 「人はこの世に、愛されるために生まれてきた」という言葉を心に掲げ、今日もミッション実践中。




■チャイルドマインダー
■心理カウンセラー1級14‐1938(総合福祉カウンセリングセンター認定)
■ペアレントコーチ
■子育て講座講師

■座右の銘:何があっても大丈夫
■好きな詩:ゲシュタルトの祈り(フリッツ・パールズ)
■特技:食べ物を残さず食べること

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